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【レポート】クリーニング産業総合展2025(CLV2025)に行ってきました
2025年11月26~27日に「クリーニング産業総合展2025(CLV2025)」に行ってきました。
※公式の発表では、来場者数は2日間合計で5,591人。
今回は、展示会を実際に歩いて見えた変化をアップしたいと思います。
ドライクリーニング関連の存在感が低下
CLV2025の会場全体として、ドライクリーニング(機械・溶剤)を主役にした展示が減少している印象を受けました。
出展メーカーは例年通り揃っていましたが、
◆ドライ専用機
◆溶剤(パーク、石油系、代替溶剤など)
を大々的に打ち出すブースはかなり少なく。。海外展示会でも同様の傾向との情報もあり、『ドライ中心のビジネスモデルの見直しの必要性』 を感じました。
素材の変化がドライ需要を押し下げている!?
近年、クリーニング業界に影響を与えているのが「素材トレンド」の変化です。
◆合成繊維の増加(衣類・寝具・ユニフォームなど)
◆ウール×ナイロンなど、耐水性を確保した混紡素材の普及
◆ドライが必要なデリケート素材の減少
この変化により、「ドライじゃないと洗えない」衣類が減少しているのを現場でも強く感じます。
統計データはありませんが、多くのクリーニング店が同じ感覚をもっているのではないでしょうか?
その他のドライ需要減少の要因
ドライクリーニングは、引火性・非引火性溶剤の違いこそあれ、
◆大気汚染防止法
◆VOC(揮発性有機化合物)排出抑制
◆労働安全衛生法
◆建築基準法・防火関連
◆夏の期間が長くなった
など、さまざまな規制と深く関わってきます。環境面・健康面での配慮が求められることに加えて、設備投資コストや維持費も年々増加しています。
こうした背景を踏まえると、今後もドライクリーニングは参入障壁になりやすい領域だと言えるかもしれません。
未来は『水』が主役に!?
今回の展示会で目に付いたのが、ウェットクリーニング関連です。
- 国内洗剤メーカー:ウェット対応剤のラインアップ強化
- 国内機械メーカー:ウェットプログラム対応の高性能水洗機
- 韓国メーカーの台頭:ウェット専用洗剤の積極展開
ウェットクリーニングは「水洗いできる範囲を広げる」方向が今後更なるトレンドになる可能性は十分にあると感じました。
『人材』獲得競争が本格化
以前からリネン・ホーム関連の企業から特に強く聞かれたのが、「仕事はあるのに、洗う場所(人や企業)がいない」という声。
◆仕事はあるのに洗う人が足りない
◆若手の応募が少ない
◆個人店は後継者不足で店じまいが増加
◆結果としてM&Aや事業統合が進む
特に個人のホームクリーニングでは後継者不足は深刻で、店じまいの話も増えています。 新規参入が少ない一方で、最近ニュースなどで目にする他業種によるM&Aなどによる企業買収・統合が進みつつあり、中堅・大手への事業の集約が進む傾向も見られます。
こうした動きが重なり、「人材確保」と「事業承継」は、リネンサプライ・クリーニング業界全体、また日本全体の重要な課題となっていると思われます。
つまりコスト上昇・人材不足が重なる中、オートメーション化による省人化 が業界の大きなキーワードになっていくと感じました。
CLV2025まとめ
【展示会での変化】
◆ドライクリーニング関連の存在感が低下
◆ウェットクリーニング・水洗い技術が注目の中心
◆素材トレンドの変化で水洗い対応アイテムが増加
【業界動向】
◆労働力不足、人材確保が深刻化
◆後継者不足による事業承継問題
◆M&Aが継続的に増加し、事業集約が進行
◆設備投資の負担増 → 自動化・省人化が必須に
総じて、2025年のクリーニング業界は“ドライから水へ”“人の手から自動化へ”という2つの大きな転換点 にいることを感じさせる展示会でした。
大手・中堅企業がこうした効率的重視な流れになっていく一方、個人店はどのように差別化し、生き残っていくのか?
これをチャンスと捉えるのか?ピンチと捉えるのか?
弊社としても日々模索しているところです。
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